オクトパ〜ス

雑多なメモ

緊急的応急措置:ブルスクPCからLiveCDを使ってファイル救出

8月の Windows Updateによる障害で、重症な場合は「Stop 0x50」エラーによるブルースクリーンまでいってしまう人もいるようですね。
       
のんびり復旧できる時間があれば良いのですが、そんな暇なぞなく、PC復旧は後回しでPC内にあるファイルを先に救出したい人もいると思います。今回のようなWindowsが原因のブルスクや起動しないPCの場合、LiveCDを使ってファイル救出ができる可能性は非常に高いです。      

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 (Debian7 - LiveDVD KDE
                    
ただ、かの有名なLiveCDの一つであるKnoppixでやろうとすると、最新のPCではうまく起動せず、救出できない可能性が大です。理由は後述。なので、ファイル救出を最優先にしたい人向けにKnoppix以外のLiveCDでデータ救出する手順を載せておきます。
              
ちなみにセーフモードでファイル救出が可能な人はそちらでやった方が早いです。
      
ただ、セーフモードは制限が多く、USBマウス等の機器が動かない場合もあります。
            
「セーフモードって何?」な方や「セーフモードでバックアップは嫌!」な方は以下に述べるLiveCDでやった方がてっとり早い、というか楽かもしれません。
             
            
               
さて、本題に入ります。
                             
LiveCDでファイル救出となると「Knoppixを使ってファイル救出」関連記事が山ほど出てくるんですが、新しいPCの場合、多分トラブルと思います。というのも日本語版Knoppixの最新版って、世に出てから年数がかなり経つので。
             
基本的にLiveCDってのはナマモノです。
LiveCDの公開時から時期が大幅にずれたPCの場合、うまく起動しない場合があります。
                  
で、ファイル救出なんですが、Knoppixにこだわる必要はありません。Knoppix以外のLiveCDでもいくつかの条件が揃えば救出はいけます。
                       
その条件はというと、
・日本語ファイルが扱える
・NTFSが扱える
文字コード変換が正しく行われる
GUIでのファイル取扱いが容易
・その他もろもろ・・・
などなど。
                         
そもそもKnoppixでファイル救出が流行ったのは、流行当時、日本語ファイルの救出に向いたLiveCDの選択肢がそもそも少なかったからです。「Knoppixでファイル救出」といった記事が乱立したせいか、『Knoppix = ファイル救出用ツール』という誤解も一部形成されてしまった感があります。そもそも、Knoppixは救出用でも何でも無かったんですけれども。
            
今となっては、ファイル救出に向くLiveCDはだいぶ増えたので、Knoppixにこだわる必要性は全くありません。
日本語版Knoppixが更新されていない現状を考えれば、むしろKnoppixではうまく行かないケースが今後増えることが予想されます。
                        
ちなみにうまく行きやすいLiveCDの代表格はUbuntuでしょう。
                          
Ubuntu ウブントゥでデータ救出
 http://www.pc-master.jp/trouble/ubuntu.html 

がわかりやすいかもしれませんね。
                     
ただし、最近のUbuntuはどうも不安定な部分があるようです。
                  
また、新しいハードにはめっぽう強いんですけど、古いハードのサポートはスパッと切られる傾向にあり、少しでも古いPCだと起動しないこともあります。
                  
もし、Ubuntu でうまく行かなければ、安定性に定評のあるDebianでやるのも吉かと思います。ハードウェアサポートを簡単に切らないので、ちょっとくらい古いPCでも行ける可能性は大です。
              
ということで、今回はDebianで救出しようと思います。
Ubuntu系の記事はネット上にいくらでもあるので)
              
さて、Debianなんですが、これは元々LiveCD系ではありません。でもDebianのLiveCD版ってのは存在しています。
                     
ライブCDの部屋
 http://simosnet.com/livecdroom/

ライブCDの部屋さんが、DebianのLiveCDを日本語化されています。

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現行のDebian7は2013年公開なので、それよりも4、5年前くらいまでのPCならば、行ける可能性は大だと思います。
 
ちなみにそれ以上古いPCならば、Knoppixでやってしまった方が良いかもしれません。でも、それってWindows7や8なPCでは無いような気がしますが。
KnoppixでWindowsPCのファイル救出
 http://plaza.rakuten.co.jp/bluearth/diary/201001260002/

が参考になるかと。
                 

【追記:8/21】
Knoppixはバージョンによっては文字化け問題があるようです。
 KNOPPIX でファイル名が文字化けしたでござるの巻 Palm84 某所の日記
(バージョン 6.7.1(6.4.4) と 5.3.1 の違い)
  http://d.hatena.ne.jp/palm84/20110817/1313575927

            
        
さて、話戻ってLiveCDを使ってのファイル救出手順です。
             
救出ファイルはマイドキュメントに保存されたエクセルやワードファイルの救出を想定してやってみます。
     

※(追記:8/25)
アクセス数が増えてきたので、万が一を考えて免責事項を書いておきます。正しく操作すれば、何ら問題は発生しないと思いますが、世の中何が起きるかわからないので、念のため。
全ての作業は自己責任の元で行なってください。
いかなる損害が発生しても、当方は何の責任も負いません。というか、負えません。
自分で責任を負えない方は、以下の内容のことをやらないでください。 
まぁ、他のサイトでもこういったことは同様だとは思いますが。


ところで、「ライブCDの部屋」で公開されているDebianのLiveCDには「Gnome版」と「KDE版」がありますが、Windowsユーザにとって「KDE版」の方が一般的に使いやすいと言われますので、「KDE版」で説明します。
             
救出作業前の下準備として、最低限以下のものが必要です。
 ・生きているPC(LiveCDを作成するために必要)
 ・DVD-R(LiveCD用)
 ・USBメモリ(バックアップ先)
                
バックアップ用のUSBメモリは中身が空のもの(USBのデータは他のPCなどに退避)を推奨します。
万が一トラブった時にUSBメモリ側に被害が無いので。

また、バックアップ先は外付けHDD等も使用可能ですが、外付けHDD側のファイルシステムがNTFSな場合はいろいろと面倒なので、「何のこっちゃ?」な方はUSBメモリでやった方が無難です。USBメモリは基本FATなので面倒が無いです。USBメモリを自分でわざわざNTFSにしちゃった方はどんまいですが。
           
さて、以上が用意できたら、まずLiveCDの作成です。
           
生きているPCで「ライブCDの部屋」さんのサイトにアクセスして、DebianLiveDVDのKDE版をダウンロードしてください。

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debian-live-7.0.0-i386-kde-desktop-jp.iso」というisoファイルがダウンロードできると思います。
          
このisoファイルはLiveCDのデータの元です。
これをDVD-Rに焼きこみます。
              
Windows7以降はisoデータを直でDVDに焼けるそうなので、PCにDVD-Rを突っ込んで、isoを焼いてください。焼き方は以下が参考になると思います。
Windows 7/8でISO/IMGファイルをCD/DVD-Rに書き込む』
 http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1305/13/news070.html

      
LiveCDが完成したら、ブルスクPCにできたてホヤホヤのLiveCDを突っ込んで起動してください。
            
ちなみに、起動順位はHDDよりも光学ディスクが先になるようになっている必要があります。これがなされていないと、どんなLiveCDでも起動できないので。運がよければ標準でなっているので、何もしなくて良いです。ディスクを突っ込んで起動してください。
運が悪いと、なっていません。自分で設定変更する必要があります。
(これについては、
ドライブの起動順位について - 個人的健忘録 from 2009
 http://plaza.rakuten.co.jp/bluearth/diary/201011120000/

が詳しいです。)
     
うまく起動すると、以下の画面になります。

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「Live(486)」を選択してEnter。
(PCによっては「Live(686-pae)」)
放置するとDebianが起動します。
       

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Debian起動時の図)

この状態になったら、ブルスクPCにUSBメモリをぶっ刺します。
(ぶっ刺す前にUSBメモリの中身は空にしておいてください。)

メモリを刺すと、以下のような画面になるので、「ファイルマネージャで開く」をクリックします。

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すると、以下の画面になります。

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USBメモリの中身です。
メモリの中身はすでに空にしておいたので、すっからかん状態です。

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さて、このファイルマネージャの左側(上図の赤枠のところ)にこのブルスクPCからアクセスできるHDD(の各パーティション)やUSBメモリの一覧が出てますので、そこからWindowsのCドライブを探します。

ちなみに、「Cドライブ」とは名称が出ないので適当にクリックして、中身がそれらしきものを探します。

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このPCの場合は「27.9GiB」がCドライブでした。
これは人それぞれになると思うので、適当に探してみてください。
                 
さて、Cドライブが見つかったので、ここからWindowsのマイドキュメントまでたどりたいのですが、この状態だと作業がやりにくいので、「ツリー表示」にします。

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赤丸のところをクリックすると、「ツリー表示」になります。

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後は「マイドキュメント」までたどるだけです。

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ちなみに上図の例はWindowsXPです。
(当方Win7を持っていないので。)
Windows7の場合は位置が変わるようなので、以下を参考にしてみてください。
Windows Vista/7のユーザー・プロファイル・フォルダの場所は?
 http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0909/04/news106.html

        
「My Documents」フォルダを見つけたら、それをクリックします。

すると、以下のようになります。

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あとは、ここから必要なファイルをUSBメモリにコピーするだけです。
       
ではまず、「分割」をクリックします。

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ファイルマネージャの表示が2分割されます。

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この状態で、USBメモリの部分をクリック。(下図の赤丸)

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すると、片方の枠がUSBメモリを表示するようになります。

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後はバックアップしたいファイルを「USBメモリ」にコピーします。
コピーの仕方はWindows同様、ドラッグアンドドロップでも、ショートカットキーでのコピーでも可能です。

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コピー完了後はUSBメモリの取り外しです。

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USBのマークっぽいアイコンをクリックして、イジェクトボタンをクリックすれば、終了です。

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「次のデバイスを安全に取り除くことができます」と出れば、USBメモリを抜いて構いません。
           
もし、「次のデバイスをアンマウントできません〜」と出たら、まだメモリは抜いてはいけません。

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これは、USBメモリ内のファイルが開かれている等が原因です。
(もしくはファイルのコピーがまだ終わっていないなど。)

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ファイルを閉じてから、(もしくはコピーが終わってから)もう一度取り外し作業を行なってください。

USBメモリにコピーしたものを、生きているPCで動作確認ができたら、OKです。
もし、他にバックアップしたいものがあれば自分で探してUSBメモリにコピーしてください。
 
作業が全て終了したら、Debianを終了させましょう。
画面左下のKメニューアイコンをクリックして、シャットダウンをクリックすれば終了します。

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あとは、ブルスクPCを修理に出すなり、時間をかけて修復するなどすれば良いかと思います。

以上、LiveCDでのファイル救出でした。